動物 Animaux


お猿さん Singe

毎年11月になると牧牛先生は大変忙しくなります。その年に受けた注文のお地蔵さんとその他の人形を何とかして焼き上げる様に努力しています。

2003年の11月13日から23日までドイツのシーボルト博物館に招待され日本を離れていました。彼が大好きなフランス料理と違ってジャガイモ以外の野菜が少ないドイツ料理は口にあまり合わず、日本に戻って10日間倒れてしまいました。

それにもかかわらず今年も次の年の干支を100体位、作り上げました。そして見本として最初に作られたこの左の「お猿さん」を頂きました。

このお猿さんを西南西に向けて午後4時ピッタリに撮影しました。「申」はその方角とその時間を表しますので。(撮影の向きと時間は...嘘です。)

「申」は昔から「去る」というようにあらゆる厄難を取り「さる」ことで大切にされてきました。そして「申」はまっすぐに伸びる意味もあって歪みのない毎日を過ごし、家運を伸ばし、活気に満ちあふれた一年になると信じられていました。

申年の2004年の恵方は東で、縁起のよい色は黄色のようです。

従って、平成16年1月1日、0時ピッタリに、黄色く塗り直したこのお猿さんを、東方位に置いて、頭を我が「うさぎ小屋」の中心に向けてお祀りしました。そうすることによって福寿が舞い込むと言われたからです。そして西に置くと金運が上昇するとも言われましたので、自分は登山用の黄色いヤッケを着て、家の西の方に立ちました。

「猿」は「申」を見てね。

これで「今年は完璧です!」と思ったところで「申年に赤い下着を身に着けると健康に過ごせる」という言い伝えが日本各地にあると耳にしました。確かに去年の12月あたりから全国の百貨店、チェーンストア店・下着専門店では赤い色の肌着やショーツを販売していました。

そんなことは知らなくて良かったです。
いくらなんでも、西の方に立って赤い下着を着て...
どころで、猿には200種類あると言われて、5群に大別されています。

1. 原猿類:あまり猿らしくないそして前足の第二指にとがった爪を持っています。代表的なのはマダガスカルの「アイアイ」と「キツネザル」です。

2. 真猿類広鼻猿類:中南米に住んでいて「新世界ザル」とも呼ばれています。鼻の孔が離れていて上向きになっています。猿らしい「クモザル」とあまり猿らしくない「マーモセット」は代表的です。

3. 真猿類狭鼻猿類:アジア、アフリカに住んでいて「旧世界ザル」とも呼ばれています。鼻孔の間隔が狭く、下向きになっています。「ニホンザル」と「ヒヒ」はその類の代表格です。

4. 真猿類類人猿類:尻尾のない高い知恵のある猿で人に最も近縁な霊長類です。「オランウータン」、「ゴリラ」、「チンパンジー」は代表的です。ちなみ「オランウータン」の血液型はA、B、AB型、「ゴリラ」のはB型のみ、「チンパンジー」のはA型とO型です。

5.進化人猿類と沈下人類:

① 21世紀に入ってから現れるようになった新しい猿類:人間に匹敵する頭の切れるチンパンジーのことです。「ヒューマンジー」とも呼ばれています。

② 何世紀前からいまだに存在しているある人類:鼻の孔が上向きになっていて頭の固いリーダーのことです。一般的に「独裁者」とも呼ばれています。その代表は「指輪物語」に出ている「サルマン」です。

 

 


招き猫 Chat

牧牛先生の作品を集め始めた時から彼の「動物」の人形には手を出さないと決めていましたが「 例外のない規則はない」ということもあって、幾つかの動物を購入しました。

この招き猫が先生から頂いた、数少ない立っている招き猫です。首輪は飛騨高山で古い生地で作らせている。毎年2回、高山へ行って半年分の首輪を取りに行く。立派な鈴を付けてあります。

招き猫の元は、「ありゃありゃ」と叫んで観客を呼んでいた江戸時代の劇場の役者達が始まりのようです。

本来、招き猫は座って右か左手(前足)を上げているが、右手を上げているのは「金・財宝」を招く猫、左手を上げているのは「人」を招く猫とよく言われています。

欲張って両手を上げている招き猫もいますが、これはお手上げと言って良くありません。

フランスでは、お客・人を招く役目を果たすものは一つもありません。こういった習慣・風習はありません。お店を経営しているプライドの高いフランス人の考え方は違います。

自分が作っている又は売っているものはこの世で一番いいものと堅く信じています。それを買いに、食べに来ないお客さんが悪いのです。「いいもの」と「そうでないもの」を判断出来ないお客さんは自分の店に来てもらいたくない。むしろ、来てもらうと困ります。従って、こういったお客を招くものはありません。

この考え方もいいですが、招き猫を置いてあるお店もいいですね。何となく入りやすいですね。

なお、この作品は玄関を入ってすぐ、古い真っ黒になった丸太の上で、家に来てくれる方々を「ありゃありゃ」でなく「いらっしゃい、いらっしゃい」と言って招いてくれています。


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